ほんわかドイツ生活

ドイツの西、デュッセルドルフに住んで3年目。日々の生活を綴ります。

ドイツで子育て ~産後にへバメがしてくれたこと~

産後にヘバメがしてくれたこと 〜我が家の場合〜

産後ケア(Wochenbettbetreuung)を引き受けてくれる助産師さん、へバメ(Hebamme)のことは妊娠中期の記事で触れました。赤ちゃんが生まれてから約1ヶ月間、実際にどんなことをしてくれたのか、具体的に書こうと思います。

赤ちゃんが生まれ、退院日が決まると、退院日をヘバメに連絡します。予定日を前もって知らせてはいましたが、急な連絡にもヘバメは慣れている様子で、退院翌日から我が家に訪問してくれました。

 

退院翌日からの訪問

 はじめに母手帳(Mutterpass)、子手帳(Kinderuntersuchungsheft)、Hebammenbriefを確認し、赤ちゃんとお母さんの健康状態をチェックします。

Hebammenbriefは退院時に病院のへバメから産後ケアのヘバメに渡すようにともらう手紙です。産後ケアのへバメはこの手紙を見て、お産の経過や入院中の赤ちゃんやお母さんの状態を把握します。

 我が家の場合、赤ちゃんは健康で問題なし。私は出産時膣からの出血でヘモグロビンの値が一気に下がり、輸血や点滴をしてもらったので、まずそのことを聞かれました。婦人科の先生あての手紙も開封して確認し、授乳と食事以外は安静にしておくように、また継続して鉄剤の内服が必要とアドバイスをもらいました。鉄剤は手持ちがなかったため、すぐにかかりつけの婦人科に電話をして、処方箋を出してもらう手続きをしてくれました。

 

赤ちゃんは体重測定をし、順調に体重が増えているか確認します。黄疸(Gelbsucht)がないか、おなかが張っていないかなど全身状況を確認します。

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 へその緒 (Nabelschnur) の処置は、へその緒がとれるまで毎日してくれました。(消毒し乾燥剤をつけガーゼ交換。乾燥剤にはWeledaのWecesinというパウダーを使っていました。) 

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 そしておむつ交換を一緒にし、便や尿も確認します。

 

またお母さんのほうは血圧測定、子宮収縮の確認(硬さや子宮底の長さ)、出血(Blutung)・悪露(Wochenfluss)の確認、陰部の傷の確認を行いました。

 哺乳状況を確認し、母乳(Muttermilch)は足りているか、ミルクや搾乳したおっぱいはどのくらい足せばいいか、具体的にアドバイスをしてくれます。入院中にも習いましたが、おっぱいマッサージの仕方や、授乳の体勢などもいくつか教えてもらいました。

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2日目以降の訪問でも毎回、赤ちゃん、お母さんの健康状態を確認します。

日照時間の短いドイツでは、くる病予防のために、赤ちゃんが1歳になるまで毎日ビタミンDを飲ませます。内服開始に合わせて錠剤の飲ませ方を教えてもらいました。

 (Genの場合ほほの裏にはりつけて母乳を含ませると口の中にいつまでも残ったり、さ湯で溶かして小さいスプーンであげようとすると、うえっとまずそうな顔をして口から出すので、錠剤を母乳で溶かしスプーンで飲ませています。)

 

訪問前にあらかじめ質問の用意を

 ヘバメは子育てで生じるあらゆる質問に答えてくれます。例えばこのような質問をしました。

・信頼できる近所の小児科はどこか。

・体温(直腸温)の測定の仕方。

・外陰部のケアの方法。

・母乳の保存方法。

・腹痛時や便秘時の対応の仕方。 

・入院中にできた点滴漏れに塗る薬。

 ・ベビーテー(フェンネルティー)の飲ませ方。等…

 例えば体温計ですが、ヘバメから教えてもらった体温計は先端が曲がりやすく肛門から計りやすかったです。Rossmannで購入しました。

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くし(Babyhaarbürste、Kamm)も左の用意していたものと、ヘバメが教えてくれたものでは柔らかさが全く違いました。柔らかい右は100%Ziegenhaar 、ヤギの毛で作られたブラシです。

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 へその緒がとれたら沐浴

 さて、へその緒は退院から1週間でとれました。へその緒がとれたらいよいよ沐浴です。ドイツでは新生児の沐浴は毎日せず、週に1〜2回程度が一般的です。へその緒がとれるまでは毎日の訪問でしたが、ここからは沐浴指導に合わせて1週間に1回の訪問になりました。まずは手本を見せてくれ、次は一緒にやりながら、そしてその次の回では一人で、といった具合でした。

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私のヘバメの沐浴の仕方は、お湯は37℃。(湯温計を使うなら、まず肘を入れてお湯の温度を確認。熱いうちに湯温計を入れてしまうと37℃まで下がるのに時間がかかるから。) ゆっくりお湯に体をつけ、まずは目のまわり、顔を拭う。そして赤ちゃん用のボディソープをつけ、胸、お腹、脇、腕、足を洗う。頭にお湯をかけ、ブラシで頭を洗う。ボディソープを追加して背中、お尻を洗う。体はタオルでおさえるように拭き、体が湿っているうちにボディミルクを塗り、服を着せる、というやり方でした。

特に冬は室温をあたたかくし、タオルや下着はハイツングで温めておくように、沐浴後は必ず帽子をかぶせ、靴下をはかせるようにとアドバイスをもらいました。

 

余談ですが、妊婦教室で一緒だった仲間にヘバメからどんな沐浴指導を受けたかを聞くと、実に様々でした。これでヘバメの性格も見えてきそうです。笑


人肌くらいのお湯に牛乳コップ1杯、オリーブオイルスプーン2杯。赤ちゃんをゆ っくり腰あたりまでお湯につけ、足からゆっくりマッサージしなが  ら手で洗う。この方法で毎日沐浴できる。市販の赤ちゃんのボディソープを使う場合は2、3日に1回。

・お湯には何も入れない。体は顔、髪、体(前→後ろ)の順で洗う。ドライヤー(中温)で乾かす。

・湯温37~38℃。お湯にティースプーン1杯ずつの母乳とカレンデュラオイルを入れ  体を洗う。くしで髪をとかし、ガーゼハンカチを使ってまずは顔(目、小鼻、口、耳裏)を洗う。さらに胸、お腹、腕、手のひら、背中、お尻の順。植物性の石鹸は3~4週間経ってから使う。

 

赤ちゃんのスキンケアについては赤ちゃんの肌の状況を見ながら、それぞれが根拠を考えながら自己流を見つけていくのだと思います。私は現在、主婦の友生活シリーズから出ている『これが最新 赤ちゃんのスキンケアがよくわかる本』や小児科の先生のアドバイスを参考にしながらスキンケアをしています。
 

 爪切りは生後4週間を過ぎてから、はさみ(Nagelschere)でしました。爪はそれまで柔らかく、少しはがれても自然にとれるということで、1ヶ月は特に何もしませんでした。多少顔を引っ掻いても、すぐに良くなるから気にしなくていいという考え方でした。最初ははさみを使わずにガラスの爪やすり(Grasfeile)を使うこともあるようです。私はハサミで切った後にガラスの爪やすりを使っています。(日本にはもっといい爪切りがあるんだろうななどと思いながら。笑 )

 

訪問の終了

 1ヶ月健診(U3)を終えた頃、生活のリズムが自分達である程度とれるようになり、ヘバメに質問したいことも徐々に減っていきました。ヘバメから、もうそろそろ私は必要なくなってきたんじゃないかしらと言われ、嬉しいような寂しいような複雑な気分になったのを覚えています。ヘバメと話し合い、定期的な訪問はこの日をもって終了としました。何か気になることがあれば、メールや電話で質問し、必要があればまた訪問してもらうという形です。

色々なことを聞けて、一緒に成長を喜んでもらえる人がいる、産後に一人ではない、いざという時に助けてくれる人がいる、そう思えるだけでこの1ヶ月間、私たち夫婦は安心して赤ちゃんと過ごすことができました。この制度を利用してよかったなと思います。

ヘバメから何で日本人はすぐに体型が戻るの?何か特別なものを食べているんじゃないの?と聞かれ、ふと思い浮かんだのはお味噌汁でした。彼女に感謝の気持ちを込めてお味噌汁とおにぎりを作りました。

 

私の保険会社の場合、ヘバメによる産後ケアは出産後10日までは少なくとも1日1回まで、出産後11日目から8週間までは16回まで無料で訪問してもらえます。産後ケアでどのようなことがしてもらえるかはヘバメによっても違います。ご自身のヘバメや保険会社に確認されて下さいね。

 

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息子もあっという間に10ヶ月になりました。あともう少しで11ヶ月です。実はこの記事はお食い初めの頃に書き出していたのですが、これまで全く文章を書くことができませんでした。今やっと…一つ書きたかったことが書けてほっとしています。

たまにドイツでお産をされる方や腹腔鏡を受けた方からメールをいただくことがあります。ほんの少しだと思いますが、参考になれば嬉しいです。