ほんわかドイツ生活

ドイツの西、デュッセルドルフに住んで3年目。日々の生活を綴ります。

ドイツで腹腔鏡治療 (前日~当日治療後まで)

治療前日

さて前回からの続きです。

病院からは、前日に病院に電話をして、来院時間を確認してくださいと言われました。

こちらから電話をかけるつもりでしたが、病院から電話がかかってきました。

私の来院時間は11時30分でした。

食事は手術の6時間前まで、飲水は2時間前まで可能でした。前日はなるべく消化のよいものを食べるようにしました。(常用薬がある場合は、医師に確認が必要です。)

 

治療当日

来院時の注意点はあらかじめ伝えられていました。(アクセサリーなどの貴金属類を外しておくこと、メイクはせずに来院すること、マニキュアはしないこと。)

 

治療当日は夫と一緒に病院へ行きました。受付を済ますと、すぐに外科の看護師さんがそばに来て、ではここからはあなた一人です。部屋には付き添いは入れませんと言われました。せっかく会社の休みを取って付きあってもらいましたが、一瞬で夫とはお別れ、ここからは一人です。

病院は入院床数の小さな病院でしたので、このような病院で治療を受ける場合は、付き添いができるかはあらかじめ聞いておいたほうがよいかもしれません。

 

言葉に不安があることを看護師さんに言ったら、大丈夫大丈夫と、特に気にしていない様子で、私を部屋に案内してくれました。

 

 

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この時の部屋は二人部屋でした。(一人部屋も選べます。)

日本と違うのはカーテンがないこと、ベッドが高いこと、貴重品のロッカー金庫があること、ナースコールはベッド横の壁のスイッチ、くらいだったと思います。

 

看護師さんから、尿検査をして、朝食を選んでくださいね。執刀医と、麻酔科医が来ますから、その後に着替えてくださいと言われました。

朝食はパンやラスク、コーヒーか紅茶かなどを選びました。

 

執刀医の先生がまず部屋に入ってきて、何か治療の質問はありますかと聞かれました。

その後麻酔科の先生が入ってきて、問診がありました。麻酔の副作用などの説明を一通り受け、あらかじめ読んでおいた麻酔の同意書にサインをしました。

(麻酔の説明書はドイツ語と英語が用意されていました。)

 

 さて着替えです。すべて脱ぎ、ガウンを着ます。ガウンは日本のものと違って、背中が開く割烹着のようなタイプで、首と腰のあたりを紐で結ぶタイプでした。あとは頭にメッシュキャップをかぶります。

 

着替えが終わると、オペ室の看護師さんが部屋に私を迎えにきました。本人確認で生年月日を伝えると、私も同じ月よ。大丈夫、手術は大したことないからと、肩をもんで励ましてくれました。

 オペ室はリラックスした雰囲気で、麻酔科の先生からも大丈夫だから安心してねと言われ、手術台に横になり、深呼吸しました。右腕に針をさされてから、すぐ意識はなくなり...

 

腹腔鏡治療後

目が覚めると、もとの病室のベッドに寝ていました。

ちょうど看護師さんが横にいて、終わりましたよと声をかけられました。2~3時間も一瞬です。

 

体温調節できなくなり、悪寒でぶるぶる震えていました。あたたかい毛布もかけてもらっていましたが、なかなか震えは止まりませんでした。

看護師さんは傷口をチェックし、その後、執刀医の先生、麻酔科の先生も様子を見に来てくれました。

傷口が痛み、麻酔科の先生が、確保されていた輸液ルートから追加で鎮痛剤を入れてくれました。

術後にメッシュのパンツをはかせてもらっており、パッドもあててありました。

 

手術が終わり、びっくりしたのは覚醒してから30分ほどで、食事が出てきたことです。

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吐き気と痛みで全く食べる気になりません。

食べられないことを言うと、点滴が追加で1本(500ml)始まりました。

 

普通この状況では食べられないでしょうと思っていると、

隣のベッドの同じ治療を終えたドイツの女性は、痛いといいながらも食事をして、

水をせっせと飲みだしました。

そして、彼女は数時間休み、日帰りで着替えをして家に帰っていきました。

 

私はというと、これがなかなか。痛みで動くのもやっとです。

看護師さんからは水をとにかくたくさん飲んでね。

吐き気が出たら、体をうつぶせにして、四つん這いになって頭を下げ、お尻をあげましょう。そしたら、げっぷが出てきます。少し吐いたら楽になりますよ、と伝えられました。

おなかの中には何も入っていませんから、何度か胃液様の透明なものを吐いて、また横になる、を繰り返しました。

夜勤の看護師さんは、私が吐くと新しいガーグルベースンにとりかえてくれました。

吐き気が落ち着いたときには、備えつけのテレビを見ることもできました。

 

点滴後、トイレに行きたくなり、看護師さんの付き添いで、部屋のトイレに行きました。

起き上がる時、つい痛みで目を閉じようとしてしまいますが、閉じてしまうと痛みに集中してしまいます。目は開けて!と看護師さんに言われました。

ベッドから起き上がり、少し呼吸をおいて、立ち上がり、ゆっくりトイレに歩いていきます。

トイレは鍵をかけずに入りました。尿と一緒に少し出血もありましたが、問題なく、ベッドに戻りました。

 

腹腔鏡の後には、使用した炭酸ガスの影響で肩の痛みもでてきます。

ぎゅっとおさえられるような肩の痛みは、横になると軽減しました。

 

夜、睡眠剤の希望があればもらうこともできますが、私はもらいませんでした。

夜は吐き気でほとんど眠れず、うとうと程度。こうして朝を迎えました。

 

翌朝7時ごろに朝食が出てきました。

あのドイツ女性を見習って少し食べてみようと紅茶を半分、ラスクも2枚食べました。

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朝、看護師さんから血栓予防の注射をしてもらい、固定されていた輸液ルートも外してもらいました。

 

8時ごろ主治医の先生が診察にやってきて、治療の内容を教えてくれました。また結果と写真を2枚もらいました。

この時には痛みも吐き気も落ち着いており、立ち上がって着替えをし、 8時半ごろ夫に迎えに来てもらい、一緒に家に帰りました。

 

帰る際に支払いはありません。(支払いの手続きについてはまた後の回で)

受付では、痛み止めの処方箋と、婦人科の先生への手紙、病院評価のアンケート用紙をもらいました。

 

帰るときに一番つらかったのは、肩の痛みでしたが、ゆっくり移動し、無事、家に帰ってくることができました。

 

今回は、前日から治療翌日までについて書きました。

次回は、家に帰ってきてからのことを書こうと思います。

保険会社への手紙の書き方など、まだまだ書きたいことはたくさんあります。

少しでも参考になれば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドイツで腹腔鏡治療 (準備編)

婦人科に通院

デュッセルドルフに住んで半年ほど、急な胃痛、嘔吐で内科を受診しました。

ここは日本語通訳の方もおられるところでした。

たまたま婦人科の健診を受けているか聞かれ、まだドイツに来てからは受けていませんと言うと、婦人科の健診も保険内だからと勧められ、内診、細胞診と経膣超音波検査もしてもらうことになりました。

そこで卵巣に病変が見つかり、3ヶ月毎に婦人科で定期的に大きさのチェックをしてもらい ました。

病変はなかなか小さくならず、子どもの希望もあったので卵巣、子宮、腹腔内の状態チェックも合わせ、外科で検査治療をしてもらうことになりました。

初めてのドイツでの治療で、治療までの流れが少しわかりにくいかったのでここに記しておこうと思います。

あくまでもいち事例です。参考になれば幸いです。

紹介状

まずは婦人科から紹介状(Überweisungsschein)をもらいました。

私がもらった紹介状は小さなピンクの紙1枚、病名と、何科か、治療目的、患者情報が入力された簡単なものでした。

婦人科のDrは私に紹介状を渡すとすぐに姿を消しました。どんな検査、治療になるだろうなどといった説明は一切ありませんでした。

これにはかなり戸惑いました。

通訳の方もそれではまたと、まるで突き放された気分です。

次どこに行けばいいのですか、説明はないのですかと慌てて質問をしました。

家からそんなに遠くない、ここはどうですか?と紹介され、外科の連絡先をもらいました。

紹介してもらった通りにこの外科に行って大丈夫なのか...

この時不安が一気にこみ上げてきました。

まずはホームページを見、インターネットの口コミや、保険会社の口コミを見て(評価は高かったです。)、さらには夫の会社の地元の方にも助言をいただいて、

考えた末、このまま紹介された外科に行ってみることにしました。

病院に電話をかけ、まずは予約をとります。

〜先生からの紹介状を持っていると伝えました。

術前診察

外科に紹介状を持参し提出しました。

まずは問診票の記入です。問診票はドイツ語、英語で用意してありました。あらかじめ、病歴や常用薬などをすぐに言えるようにメモして行きましたが、それでも問診票の記入には時間がかかってしまいました。(またこれは別の機会に)

医師に呼ばれ挨拶し診察室へ。

まずドイツ語も英語も得意でないことを伝えると、先生からまずはゆっくりドイツ語で話して、わかりにくかったら英語、それでもわからない場合はグーグル翻訳を使いましょうと言われました。

とても丁寧な先生だったので、この先生なら信頼できるなと思いました。

問診ののち、内診、経膣超音波、採血。

(採血、心電図、レントゲンなどは、ホームドクターでしてもらい持参するのが一般的なようです。)

子宮、卵巣の絵や英語の文書を使って腹腔鏡治療、検査の説明を受けました。

その後手術日を決め、日帰りか入院かを決めました。

保険会社に提出する資料を作るために、日帰りか入院かは今決めてほしいといわれ、

一泊入院にしてほしいと伝えました。(日本では3~4日入院するのが一般的ですが、こちらは日帰りが一般的のようです。)

この日治療内容の同意書にサインをしました。

 

保険会社への申請

日本と違うのはここです。外科の用意してくれたオペプラン(予定医療費)を保険会社へ申請します。書類には以下のものがありました。

  • Geplante Operation in ...Klinik  (申請理由の書類)
  • Einzelkostenantrag für eine stationäre operative Behandlung (入院治療費の申請書類)
  • Arztliche Notwendigkeitsbescheinigung zur Planung einer operativen Behandlung(治療の必要証明、婦人科のDrにサインをもらう)

申請書類に自分のサインをしたり、婦人科のDrにサインをもらいに行ったりし、これらを保険会社に郵送しました。

郵送用の封筒や切手も病院が用意してくれていたので、難しい作業ではありませんでした。

2週間ほどで保険会社から返答が郵送されてきました。

その返答には保険会社がどのくらい医療費をカバーするかが書かれています。

返答書類が届いたことを外科に電話し、送られてきた書類をスキャンし病院にメールしました。

手術までに用意すること、もの

手術前にしておくことといえば、全身麻酔の同意書に目を通しておくことと、手術後の世話人についての書類を記入しておくこと、術後1週間以内の婦人科の予約をとることなどがありました。

また入院用に暖かい靴下、スリッパ、ゆったりした下着、大きいゆったりした服、サニタリーパッド、顔や体を拭くウエットティッシュ、ドライシャンプーを用意しました。

 

今日はここまでにします。

次回、手術前日、当日について書いていきたいと思います。

質問があればお寄せください。また不慣れで誤字脱字なども多いと思います。

お気づきの点あればコメントいただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はじめまして

自己紹介させてください

私の名前はみちこです。

2014年の12月からドイツのデュッセルドルフに住んでいます。

この12月で3年目に入りました。

結婚を機に看護師をやめ、建築家の夫(けんちゃん、日本人)について1年間

フィンランド生活を送り、その後デュッセルドルフにやってきました。

 

私の性格はお調子者で甘えん坊の末っ子気質ですが、何事にもまじめ。

まじめで信頼を勝ち取るタイプです。(笑)

趣味は美術館巡り、建築巡り、陶芸。

夢は畑のある家に住み、半農半看護師で生きることです。

 

ドイツ語のレベルはA2-B1。(日常会話がやっと)

英語は読めるが話せない。

こんなところでしょうか。

 

書きたくてうずうず

そんな私ですが、12月の初めにこちらの婦人科で、腹腔鏡治療を受けました。

一泊入院。それもすべてドイツ語で。

この初めてづくしの体験は、私にとって不安以外の何物でもありませんでしたが、

「結構なんとかなる」という自信にもなりました。

このブログが、いつか同じことを体験するかもしれない人の役に少しでも立てたら...

それがブログをはじめようと思ったきっかけです。

 

あとは楽しいドイツを伝えたい!

生活の中で見つけたこと、考えたことを書いていきたいなと思っています。

どうぞよろしくお願いします!