ほんわかドイツ生活

ドイツの西、デュッセルドルフに住んで3年目。日々の生活を綴ります。

慣らし保育(Eingewöhnung)

  息子は1歳10ヶ月でキタ(Kindertagesstätte 、Kita)に通いだしました。キタはまず親同伴の慣らし保育(Eingewöhnung)から始まります。この期間にお友達との園生活に慣れ、先生と信頼関係を築きます。8月から12月まで、約4ヶ月のちょっと長めの慣らし保育の様子を書いてみようと思います。

 

入園前

 キタ探しの記事にも書きましたが、入園の2ヶ月前に受け持ちの先生と顔合わせをし、詳しい園生活の説明を受けました。そして先生には息子の好きなことや嫌いなこと、1日や1週間をどんな風に過ごしているか具体的に話しました。

 これは入園1ヶ月前にキタからきたお手紙。一緒に遊ぶのを楽しみにしているよと書いてあります。

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 慣らし保育スタート!

息子のキタは1クラス20人(息子以外に2歳3人、3歳5人、4歳5人、5歳6人)です。タンポポグループとわた毛グループの2グループあり、1クラスに先生(Erzieher/in)が4人ずついます。

f:id:honwakasou:20200105223844j:plain1〜3日目》10時から11時の1時間。お母さんと一緒にキタで過ごす。入園式はなし。初日は2人の5歳のお兄さんが荷物や靴、長靴の置き場を教えてくれる。この2人は前もってお世話役をしようねと先生から言われていたようで、案内してくれる間も息子の背中に手を添えてくれたりとても優しい。D先生が息子の担当で、つきっきりでお世話をしてくれる。あっという間の1時間。3日目は終始眠かったみたいで、いろんな場面で泣き崩れる。(お外に行きたい!女の子が手を繋いできていやだ!お母さんと一緒がいい!)

《4・5日目》9時半から11時まで。お母さんと一緒に。

《6日目》9時半から11時まで。最後の10分はお母さんは別の部屋で待機。

《7日目》9時半から11時まで。10時からの30分お母さんは別の部屋で待機。

《8日目》9時半から11時まで。最初の30分だけ一緒の部屋で過ごし、息子にバイバイを言って別の部屋で待機。

《9〜12日目》9時半から11時まで。10分だけ一緒に過ごし、バイバイを言って、その後は近くの公園やカフェで待機。

 

  最初にまず強く感じたのは縦割りの良さです。朝キタに着くとお兄さんお姉さんがおはようと言って、靴を履き替えるのを手伝ってくれたり、上着を脱がせてくれたり、手をひいて教室の中に連れて行ってくれます。泣くとおもちゃを持ってきてくれたり、頭をなでてくれます。こんなに助けてくれる。見守ってくれるのは先生だけではなく、お友達もだったのです。5歳って頼もしい!これは結構衝撃でした。

 激しく泣く時もありましたが、こういう時に先生やお友達がどんな反応をするのか、横で一緒に見られるのも慣らし保育のよいところだと思います。

 徐々に親の私も先生の名前と顔、子ども達の名前と顔、そして性格がわかるようになってきました。知れば知るほど皆かわいい!一緒に遊ぼうと言われ、カードゲームをしたり、お絵かきをしたり、私も一緒に楽しい時間を過ごしました。

 

3週目にある壁

《13〜15日目》9時半から11時半まで。5分ほどでバイバイをして家で待機。迎えに行くと、最後の方はお母さんを探していましたと。先生のおむつ替えを嫌がって、キタで私がおむつ替え。

《16日目》9時半から12時まで。行きの別れはすんなりいくも、お迎えにいくと目に涙をいっぱいためた息子。お友達に今日は一日泣いていたよと言われる。先生のおむつ替えを拒否。

《17日目》9時半から12時の予定が、11時半に電話がかかってきて迎えにきて欲しいと連絡あり。ドアのところで泣きながら待っている。

 《18日目》9時から11時。朝起きてキタに行く前からお母さんにべったり。私の存在をチラチラ確認して手をつなぎに来る。キタでもお母さんが離れようとすると大泣き。この日はバイバイせずにキタで一緒に過ごす。

 

 このあたりで息子も私もどっぷり疲れました。先生からは、園生活がいやだ辛いと思って来て欲しくない、キタは楽しい!そう思って毎日来てほしい。まずは安心して楽しく遊べるように、お母さんに時間の余裕があるならば、泣く時はまた一緒に過ごして下さいと言われました。最初は順調でも、新しい世界にワクワクした後は、毎日ここに来るんですか?とだんだん辛くなる子どもも多いそう。小さいほど必ず迎えに来るとわかるようになるまでに時間がかかるようです。

 

《19日目》9時から11時。バイバイできず、お母さんも一緒にキタで過ごす。

20日目》9時から11時半。お母さんも一緒に2時間半。息子に5歳のお兄さんがほら見てよ!とおどけてくれる。息子がふり返ると吹き飛ばされて転げるというのを何回もやってくれて息子も笑顔に。マグネット遊びや階段の上り下り、部屋の中で砂遊び、長いふわふわの紙を頭の上でヒラヒラさせたりして、息子の興味のある遊びに先生もとことん付き合ってくれる。この日は楽しそうに過ごす。

《21日目》9時から11時まで。初めてお父さんが慣らし保育へ。一緒に過ごす中で、何度かバイバイにトライし、最後の30分は離れたところで待機。お父さんは子どもたちに絵を描いてといっぱい頼まれてお絵かきで忙しかったそう。(嬉しそうだった)

《22日目》9時から11時まで。20分ごろにバイバイ。泣いて泣いて泣き叫ぶ。お母さんは外で待機。何かあれば電話すると言われたが、電話はなく、先生と水たまりで楽しく遊ぶ。

《23日目》9時から10時半。新しい先生が担当だったためお母さんも20分一緒に過ごす。新しいA先生とは目を合わせようとせず、すぐにお母さんのほうへ。この日は信頼関係を築けなかったとA先生もお手上げ。

《24日目》9時から10時半。バイバイせずにお母さんも一緒に過ごす。D先生と息子は信頼関係ができていて、手をひっぱって自分の意思を伝えている。途中からお母さんに寄ってきて抱っこ抱っこに。

《25〜27日目》9時半から10時45分。数日風邪でお休みしたのでバイバイはなしで母も一緒に過ごす。27日目は15分たってバイバイ。お迎えにいくとうるうる泣いている。

 

 安心できるもの

《28日目》キタになじみの絵本を持っていくように。

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 慣らし保育の間は好きなぬいぐるみやおもちゃを持っていくことができます。息子は特にこれといった特定の好きなぬいぐるみはなかったので、代わりにいつも読んでいる絵本を持って行くようにしました。ドイツ語の絵本も持っていきましたが、日本の『いないいないばあ』や『のりものいろいろかくれんぼ』など、絵だけで理解できる本は、他の子ども達も、先生も面白がって読んでくれました。子どもたちの間で一番盛り上がったのは、『MITMACH BUCH』でした。(日本語は『いろいろいろのほん』)

 

《29日目》お父さんも送るように。

《30日目》2歳の誕生日。お父さんが送る。この日はすぐにバイバイ。お別れで泣いても、お昼寝の部屋のミラーボールを見たり、歌を歌って心を落ち着かせているそう。誕生会の楽しそうな写真を先生に見せてもらう。

《31日目》9時半から11時。送り迎えはお父さん。

 

お別れはササっと

《32〜35日目》9時半から11時。お別れをささっと一瞬でするようになって泣かなくなる。D先生がいなくてもB先生と楽しく遊ぶ。体育室でダンス。ダンス大好き。

《36〜40日目》9時半から11時半。

《41〜45日目》9時から11時半。

《46〜50日目》お父さんが送るときは早く8時半頃から11時半。お母さんが送る時は9時ごろから11時半まで。先生が歌って踊る息子の写真をみせてくれる。お別れのときは一瞬泣くが、すぐに泣き止んで遊び出しているそう。

 《51日目〜》 8時半から12時。

 

お別れはササっと、お母さんの姿がパッとなくなるほうが、息子はすんなり気持ちを入れ替えて遊ぶことができるみたいです。キタに着くといつもおはようと寄ってくるお友達がいて、泣いても手をひいてミラーボールのある部屋に連れて行ってくれます。ほら!キレイだね!そう声をかけてくれて、息子は毎回初めて見るようにオォォーと見上げて喜びます。何度お友達の優しさに助けられたかわかりません。息子がお友達や先生に受け入れられている。いつもそれを感じることができたので、こちらも安心してササっとお別れできました。

 

慣らし保育終了!

《64日目》慣らし保育が終了。先生と面談。

《66〜67日目》お母さんの送りの時でも、泣かずにバイバイできるように。B先生が手を広げておはようと言ってくれるので笑顔で駆け寄っていく。 ついに泣かずにバイバイできる日がやってきた。

 

 慣らし保育の間、先生からいろいろな場面でお母さんはどうしたいですか?と聞かれるので、そのたびにこちらの要望を伝えました。本当は12時半までなのですが、息子はお腹が減ったり、眠くなるので、時間は12時までにしてもらっています。私たちは慣らし保育をかなりゆっくり時間をかけてしてもらいましたが、要望を言えば、先生はそれに応えてくれます。

 慣らし保育の期間は長かったのですが、その分私もキタの様子や、お友達、先生のことを知ることができて今はよかったなと思います。

 

  さあ、明日も元気に楽しんでキタに行ってね!!

 

 

 

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2020年明けましておめでとうございます。

新年早々こんなに長い文をここまで読んでいただきありがとうございます。

今年もちょっとずつドイツ生活の記録を残していけたらいいなと思います。

 

みちこ